トレブレ

トレーナーのあれこれ。ブレーンストーミング

サッカー選手はなぜ足が速いのか?

足が速いとは、短距離の話。

50m走などでは、陸上部よりもサッカー部の方が速い。何てことはよくある話。



その理由を長年考えてきた。

サッカーは競技特性として1〜30m程度を繰り返しダッシュする。自然にHIITをやっている様な状態。エネルギー機構で言えばフォスファゲンでなくミドルパワーの要素が強い。


陸上競技は最も短い競技で100m。トレーニングでは30mダッシュなどを入念にやり込む。時にはHIITの様なミドルパワーだったり、レペティションの様なフォスファゲンだったり。


この点を踏まえると50mを速く走るトレーニングとして適しているのは当然陸上競技ではないだろうか。


しかし、現実としてサッカー選手の方が速いケースも多い。単純に才能の差か?それ以外にもあるのではないかと悩み続けてきたがその一つの答えとして考えられるのは《COD》の要素が多く含まれていること。


CODとは、減速、停止、加速を指す。陸上競技には減速、停止の要素が苦手な事が多い。確かに50m走には減速、停止局面は存在しない。ゴールしてからゆっくり減速して止まれば良い。


ただ、そこに秘密が隠されているのではないかと考えている。

陸上は推進力を効率よく生み出す競技なので骨盤は立脚期に後方移動するように動く。それには支持脚と対側の内腹斜筋を多く動員する。逆に減速は立脚期に骨盤が後方移動しようとするのに対して前方移動する様に出力し、ブレーキをかける。これは支持脚と対側の外腹斜筋を多く動員する。


外腹斜筋は骨盤の前方xファクターとして閉鎖力に関与しているだけでなく、骨盤帯のマルアライメントの補正にも大きく関与している。


他にもサッカーには、ラテラルやターンなどの複雑なアジリティ要素が多く含まれていて体の連動性を高めるには非常に効果的だ。


陸上競技は重心の捉え方を非常に大切にした動作練習が多く、ドリルという名前で30分程度取り組むのが業界の常識となっている。


ここに私が推奨したいのが通常のスプリントからの減速停止、バックペダルの様な動作練習だ。外腹斜筋が強化できるだけでなく、継時誘導によって拮抗筋の促通も期待できる。




陸上界のトレーニングは本当に何年経っても進歩がない。まず、これらのトレーニング理論を身を持って証明し、悩み多い選手に伝えたい。